ーふるさとの山:眉丈山(びじょうざん)と手前は邑知潟(おうちがた)ー 


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3月の歌/ ’16

ー いつか ー
 
いつしかに色褪せ(きた)るクリスマス氷砂糖は星屑に似て
  
生きてゐることがすなはち(ばち)なのかドラマの台詞三度も見たり

同じ方角(はう)見つつ暮らせしはずなのにいつか違へる夫婦といふもの

もう夫は子の顔われをも忘れしか がくッとちひさくなりたる夫よ
 
過去はみな今に繋がる愛しきもの 夫よあなたの過去を思ほゆ
 
おのづからきのふけふ明日を閉ぢたれば祈るかたちで眠れる夫よ
 

                  ☆

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2月の歌/ ’16

ー 昭和 ー

その中に昭和があまた詰まりけり石けりお手玉缶けりゴム飛び
 
亡母(はは)の手首に輪ゴムが匂ふ二つ三つ消えるひまなき輪ゴムの跡の
 
草木が、地が月のひかりを吸つてゐる風はこぞりて秋を迎へに
 
物食みて怒り鎮めり柿の実の夕焼け空にしみてゆきたり
 
口開けて眠れる吾のくちびるを加湿器がふるふる撫でくれぬ



1月の歌/ ’16

ー 実生 ー

すつぽりと黒きネットの衣装つけマンションの修繕はじまれり
 
あをぞらは盥のごとしマンションは洗はれ濯がれ化粧(けはひ)したりつ
 
実生なるオレンジの木よ此の木より数多の蝶が空をめざしぬ
 
あのときのオレンジなのかと子は問へり青虫這へる実生の木なり
 
新しき暮らしを始む マンションには柱が無しと今さら気づく


12月の歌/ ’15

ー いまこそ ー
 
をのこ得て子育てしたり少女子(をとめご)を抱かざる胸の物足りなささう
 
得も知れぬ荷を背負ひゆくわが夢の中では道が消えてゐたつけ
 
パソコンを携へホームにうつり住む老い人われの決めたる一事
 
儘ならぬ生活(たつき)をホームに委ねけり風に戦げる老いと(よはひ)
 
七畳ほどがホームの城よそれなりに愉しむつもり老いといふもの
 
(さか)り住む三人家族。それぞれのふさはしい道をゆくのもよろし





9月、10月、11月号の歌/ ’15

  欠詠


8月の歌/ ’15

ー そして夢のなか ー
  
ひと日ひと日溜まつてゆける紙の(かさ) ふるさとは此処春の雨降る
 
よりそひて洗はれて乾かされそして夢のなかなり ゆうべの食器
 
食器棚の食器に沁みしおもひでが眠りてゆけり吾を呼びながら
 
金継ぎのコーヒーカップの珈琲をのめば記憶がつながりてゆく
 
雲の間ゆ見え隠れする空の青 夏こそよけれ朝日、夕日は


7月の歌/ ’15

ー 紙 ー

わが漉きし和紙にわが歌のせてゐつ ただそれだけのこと喜べり
 
だれもみな紙に残しし証あり 生まれし時に死にしのちにも
 
明日には古紙となりゆく新聞の生まれかはれる力が羨し
 
メモ用紙の記せし文字を見つめゐつこれは何かの暗号なるか
 
近頃は新聞、テレビに認知症、高齢の文字多しと気づく
 
紙ふぶきのやうな雪浴ぶる桜花四月八日の唄が聴こへる


6月の歌/ ’14

欠詠(5度目)しました。



5月の歌/ ’15

ー 一本 ー
 
生きるとは六十兆の細胞を年月かけて使ひきること
 
生きるとは(とき)のかをりを纏ひつつそしておほきく胸啓くこと
 
窓ガラスの指あそばせて鏡文字同じきイニシャルきみとわれとの
 
横線の一本足せば幸となる足したり引いたり一生(ひとよ)(ゆき)
 
わが窓の富士山みゆる風景のみどりの上に街が生まれた



4月の歌/ ’15

ー 各駅停車 ー
 
めつむりて雪降るを聞けばよみがへる兄が手のみどり濃き竹スキー
 
小走りな毎日だつた これよりは各駅停車のやうにゆかうか
 
カレンダーに走り書きが犇めけり二十九日は何だつたのか
 
背負ひたる(よはひ)つなぎてあゆみきぬ 我が完走の日はいつだらう
 
あをぞらを真つ二つに切りひらくがに飛機の跫音白くさえたり
 
ふたつみつ川面を揺らす雨粒がしだいにおほきな流れをさそふ


3月の歌/ ’15

ー 五線紙のやうな ー
 
古里はやはらかきもの冬の夜の拍子木の音湯気たつにほひ
 
風花の記憶のはしに耳あかくそめ白球を追ふきみがゐる
 
きみに書く手紙の余白に描いてゐた季節の花と吾の似顔絵
 
五線紙のやうな匣にて住みてゐる浮き沈みたる日々を奏でて
 
「めじるしは三角屋根よ」添へ書きが葉書の隅に弾みてゐたり 
 
子の服をどれだけつくつてきただらう 薄ら日に透く赤き針箱 


2月の歌/ ’15

ー 尖りしもの ー

枕辺のやすけき記憶切り口が光つてありしみかんの缶の
 
柊の葉つぱで遊ぶ楽しみを知らないだらうな今どきの子は
 
ほぼ同じことをしてゐる常の日の(さき)に錘をぶらさげてゐる
 
愛用の万年筆を瓶に飾るもう似合はざる吾と思ふに
 
冬の扉をノックするがに降る雨のひと雨ごとにとがつてゆけり
 
糸を切ることままならずいつしかに失つてしまへり糸切り歯


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游(ゆふ)

Author:游(ゆふ)
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ン十年前はこんな風でした。
  (少しおまけあり♪)
好きな文字 「樂・游」
樂をして楽しく
游ぐように遊びたい。
「音」所属

 
 
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