ーふるさとの山:眉丈山(びじょうざん)と手前は邑知潟(おうちがた)ー 


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作品批評・・三月集

ー いつかー
 
いつしかに色褪せ(きた)るクリスマス氷砂糖は星屑に似て
  
生きてゐることがすなはち(ばち)なのかドラマの台詞三度も見たり
 
同じ方角(はう)見つつ暮らせしはずなのにいつか違へる夫婦といふもの
 
もう夫は子の顔われをも忘れしか がくッとちひさくなりたる夫よ
 
過去はみな今に繋がる愛しきもの 夫よあなたの過去を思ほゆ
 
おのづからきのふけふ明日を閉ぢたれば祈るかたちで眠れる夫よ
 

          三月集に掲載される☆

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作品批評・・12月の歌より/2月号掲載

パソコンを携へホームにうつり住む老い人われの決めたる一事
  
  
 自分のことが十分できる内のホームへの移住は、なかなか決心しがたい。
 しかし、作者はパソコンを手に入居するという。頭と指を働かせて、現代と
むすびつくことを忘れまいとする意志の堅持がそこにあり、その上に立った
「一事」である。
 「いまこそ」の一連には、自らを省みる思いときっぱりとした意志がうかがえる。
 
 
 
内藤 明氏/作品批評


作品批評・・3月の歌より/5月号掲載

子の服をどれだけつくつてきただらう 薄ら日に透く赤き針箱
  
  
 針仕事が得意な作者。「子の服」を、成長に合わせてどんどん手作りしてきたの
だろう。その歳月の集積にふと自足の想いに浸る。永年の相棒「赤き針箱」に、
充ち足りた想いを投影させていて巧い。
道具、ものの内側に、歳月と人とが見えてくる作品と言える。
 
 
 
上村 典子氏/作品批評


作品批評・・1月の歌(一月集)より /3月号掲載

(フウ)の木に風は翼をやすませて枝葉をさそひ木洩れ日に遊ぶ
 
 
 風を詠んで、童話の世界にさそいこまれるようだ。
楓の木に吹く風と枝葉の動き、木洩れ日の動き。静かな美しい歌。
 
 
 
窪田 萬里江氏/作品批評


作品批評・・一月集

ー 秋ー

鉄橋をわたる電車がたからかに啓きてゆけり秋の(あした)
 
生えかはる子等の歯に似る本棚の抜き取りし本返しておくれ
 
秋の陽を転がしながら遊びにきポケットはいつもふくらんでゐた
 
夏のをはりに『夏の終り』を読みをれば忽と目の端に白蜘蛛の見ゆ
 
(フウ)の木に風は翼をやすませて枝葉をさそひ木洩れ日に遊ぶ
 
人混みにきみを見つけて駆けてゆく。オレンジの夢はいつもここまで
 
 
          一月集に掲載される☆




作品批評・・9月の歌より/11月号掲載

なにげなく潰しはじめたプチプチの虜になれりプチプチ潰し
 
 
 「プチプチ」は、空気を入れた小さな空間をたくさんもつ、梱包に使うビニール(?)の製品だろう。
おそらくその一つ一つを指で潰すときの音からその名称がついたのだろう。その音
が印象的なためについた名前だろうから、その快感の虜になることは無理からぬことだ。「プチプチ」を二回使って、読者もその遊びに真剣に引き込まれていく。

 
 
内藤 明氏/作品批評


作品批評・・八月集

ー 暮し ー
 
故郷の揺るぎなき夏 椨の木の枝葉に透ける空の寂しさ
 
木の家の木の香を憶ふ嫁してより鉄筋の函が我の住処なり
 
「草むしりしなくていいの」中空(なかぞら)のワンフロアーが吾の動線
 
口中にころがしてゐるのど飴を噛み砕きたり 万緑に遊ぶ
 
Win8・1とにらめつこせり「お願いだから笑つてください」
 
(さいはひ)高富(たかとみ)()といふ町に暮し来ぬ 富士みゆる暮し保つべし
 
 
          八月集に掲載される☆


作品批評・・4月の歌より/6月号掲載

月光を浴びて帰り来 ラーメンにたまご落とせば月の味せり 
 
 
 「月の味」とはどんな味だろう。月光に月見うどんならぬ月見ラーメン。
ややつきすぎとも思うが、月の美しい夜、月の光の魔法にかかってしまったかのような作者には、そう感じられたに違いない。
 
 
黒羽 泉氏/作品批評



作品批評・・1月の歌より/3月号掲載

食べさせて着せて洗つて寝かしつけた柔らかな日がアルバムにある
 
 
 次に「仔犬を洗う」歌があるので、一瞬迷ったが、こちらは「子ども」の歌だろう。
小さな子に、食べさせ寝かせ、一生懸命子育てをした日。
それが今「柔らかな日」としてアルバムに収められている。
「食べさせ」「着せ」「洗い」「寝かせる」という語順はどこから来るのか、オトコには不思議。
 
 
造酒 廣秋氏/作品批評



作品批評・・7月の歌より/9月号掲載

乳母車にひとりを乗せきそののちもたつた三人の家族なりけり
 
 
 「家族」という円環の濃密さと寂しさを共に感じさせる一首だ。仲睦まじい家族を作りあげていく。それこそが力技であるのだし心身の支えでもあると作者は知っている。「乳母車」から今日まで流れた「たつた三人の家族」のかけがえのなさ、というべきか。短歌は長い時間を扱うのが苦手、とは通説だが、この一首が抱える時間は長いようで短く切ない。
 
 
上村 典子氏/作品批評


作品批評・・3月の歌より/5月号掲載

身を捻りわらひ転げしとほき日がアルバムの真中陣取つてゐる
 
 
 作者はアルバムを広げながら昔を懐かしんでいるようだ。
「身を捻りわらひ転げしとほき日」というのだから、屈託のない学生時代の写真を見て、青春の一齣を思い出している様子が浮かんでくる。
「アルバムの真中陣取つてゐる」という表現は面白いが、「とほき日」の部分は具体的にした方が効果的である。
 
 
松本 高直氏/作品批評


作品批評・・5月の歌より/7月号掲載

あの窓の部屋が二人の起点とぞ吾子に教ふる久が原二丁目
  
 
「すぎゆき3」という小題のあるうちの一首。
 あの窓の部屋から、若い日の自分たち夫婦の生活が始まったことをお子さんに教える作者。
 なにか、ドラマの一場面のよう。
「久が原二丁目」という地名の具体が、一首を立体的なものに感じさせる。
「あの部屋」ではなく、「あの窓の部屋」であることで、読む者のイメージが、ふくらむと思った。
 
 
俵屋 晴子氏/作品批評


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游(ゆふ)

Author:游(ゆふ)
いらっしゃいませ♪
ン十年前はこんな風でした。
  (少しおまけあり♪)
好きな文字 「樂・游」
樂をして楽しく
游ぐように遊びたい。
「音」所属

 
 
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  • ・游の読む百人一首Ⅰ

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  • ・つれづれに-葉衣句-

  • ・年間自選三十首(1)「ポケットに」

  • ・年間自選三十首(2)「あの窓の…」

  • ・エッセイ「名前の由来」

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